【2021年度 代表インタビュー】sweeep株式会社となるにあたって

オートメーションラボ株式会社は2011年に創業し、主に経理・財務領域においてテクノロジーによる業務改善のコンサルティング事業を行ってきました。このノウハウをもとに、2018年12月に受取請求書の自動処理クラウド「sweeep」をリリース。社会情勢の変化とともに、順調に顧客数を増やし企業の経理部門における自動化やリモート化を実現し、同社のメイン事業へと成長させました。

 

創業10年を越え、2021年6月にオートメーションラボ株式会社はsweeep株式会社へと社名を変更し新しく生まれ変わります。新社名に込めた思い、そしてこれからのsweeepと目指している社会について、sweeep株式会社代表の村山毅氏に話を聞きました。

新しい期を迎えるタイミングで、社名をsweeep株式会社へと変更しました。

受取請求書クラウド「sweeep」の運営がメイン事業として確立し、体外的にも製品名の認知が進みました。より一層ブランディングの強化を図るため、この度サービス名と社名を統一することにしました。今後は「sweeep」事業を中心に展開し、お客様の生産性向上と新たな価値創出への貢献に取り組んでいきたいと思います。

弊社は2011年に創業し、BPO事業やBPR事業、RPA導入の支援を通して業務改善の提案を行い、企業の効率化を推進してきました。この事業を通じ、最大限に効果を発揮するには新たな業務フローの構築から取り組む必要があると感じていました。

「sweeep」では、お客様にとって最も実効性のある業務フローを定義しています。この製品を使うことでストレスなく請求書の処理が自動化でき、本来経理部がやりたかった時間を創出できるようになります。弊社としては、「sweeep」事業に方向を絞り、サービスの品質をさらに高めるよう注力していきたいと考えています。

社名変更とともに本社を移転しました。その背景は何でしょうか。

弊社のビジョンは「働くを楽しく」です。これには、最も働きやすい環境で、最も効率的に働くことが肝心だと思っています。そのため、創業当初から場所を固定しない「分散型オフィス」で会社運営をしてきました。個人の状況や目的にあわせて、自宅やコワーキングスペースなど、働く人自身が働く場所を自由に設定できるようにしています。

そのような方針をとってきたことで、社員の住まいは本社がある東京近郊に固まらず、関西や沖縄、海外にも散らばるようになりました。今回、移転先としてWeWorkを選んだ理由のひとつが、多拠点をカバーしているということです。全国各地にいる社員がコワーキングスペースで仕事をしたいと思ったときに、WeWorkを選択肢のひとつとして選べたら便利ですよね。リモート時代に適合した新しい働き方を進めたい弊社にとって好相性なスペースだと思いました。

コロナによって働き方に多様性が生まれましたよね。同様に、sweeepがいる市場も大きく変化したのではないでしょうか。

はい、一変しましたね。2018年リリース当時は同業者はおらず、受取請求書の自動化といえばsweeepだけでした。その後、2020年にコロナの感染が広がりバックオフィスのリモートワークの遅れが問題になると、一気に参入が相次ぎました。

2020年にDeepworkさんのinvox、SansanさんのBillOne、2021年にはLayerXさんも同様の製品を出しています。BillOneの登場は、大企業がそれまで主力であった紙媒体の事業から電子化の事業へと軸足を移すという、時代の変化を象徴する出来事と感じました

請求書に限らず、多くの場面で「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉もよく使われるようになりました。政府が積極的に企業に向けてアナログからデジタルへ移行するように促していることも関係しています。

請求書の電子化サービスの盛り上がりも、こうした政府の取り組みに後押しされてのことです。電子帳簿保存法はこの1年で大幅な改正が行われ、紙での保管を問わないばかりか電子への移行が推奨されるようになりました。このことで請求書の受け取りが紙である必要もなくなり、サービスが生まれやすい土壌ができあがりました。

 

市場の移り変わりとともに、お客様であるユーザ側にも変化はありましたか。

ここも以前とは急変しました。まずは、システム導入に対する「意識の変化」です。それまで経理部はどちらかというと、変えることを厭う側面があったと思います。毎月締切があり、ミスなく正確に間に合わせようとすると、どうしてもやり方を変えることに躊躇してしまいますよね。しかし、今の経理部の方にその傾向はありません。業務フローを変える前提、もしくはシステムに業務フローを合わせる前提でサービスを選ぶようになりました。ここは大きな違いですね。

もとより、システムを選ぶ段階から変わりました。今まででしたらパンフレットを取り寄せ、対面で営業を何回か行い、検討をするという段階を踏んでいたのが全てオンラインで完結するようになりました。弊社含めSaaS製品を提供している企業にとっては、ずいぶんと前よりもお客様へのアクセスがしやすくなったのではないでしょうか。

それと関連して、次に変化を感じているのは弊社のシステムを検討していただくお客様の「業種の変化」です。IT企業や広告業などの日常的にフロントでITを利用している業種よりも、最近では対人でサービスを行う業種のお客様のご利用が多くなってきています。具体的には不動産、建設、理美容室、ホテルといった業界の方々です。規模も様々で、大企業だけでなく中小規模のお客様へも裾野が広がってきています。

業種や規模に縛られず、sweeepはあらゆるお客様に適合できるのですね。

ITを主とした業種でない場合は、どうしても紙の請求書の割合が多くなります。sweeepは紙の請求書でもatenaさんと連携しているので受取代行のサービスを提供できます。このサービスを利用すると、請求書を受け取る手間、スキャンする手間、アップロードする手間がなくなります

請求書の電子化を移行したくても、業界の特性で取引先側が電子化に移行するのが難しい、そういった事情があると思います。そうした場合でもsweeepを無理なくご利用開始頂けるようにしているのです。

また、請求書のオンライン回収機能を使って頂ければ、取引先に紙ではなく電子で送ってもらうよう変換を促すことも可能です。これは実際にお客様からよく聞く話なのですが、今まで紙で請求書を送ってきた取引先に「次から請求書はこのURLにアップロードしてもらえますか」とお願いすると「請求書の印刷と封入をもうしなくいいんですね、助かります!」と喜んでもらえるそうです。

お願いをしてみたら意外とすんなり電子化に移行できたという例は結構あります。取引先側としたら請求書を作成して、印刷して、封入して、投函するという一連の作業がなくなるのですから、双方にとってメリットを感じられるのではないでしょうか。

紙の請求書に対応するためにはOCRの精度も関連しますよね。それも含め、sweeepの強みを教えて下さい。

1つ目は98.5%という読取精度の高さ(※1)です。ご指摘の通り、紙で請求書を受け取りスキャンしたら読み取れない文字が多かった、では逆に非効率となってしまいます。

sweeepは他社よりもさきがけて開発を進めたことに加え、経理・財務領域でのコンサルティングを行ってきたノウハウがあります。そのため、請求書に特化したOCRエンジンとAI機能を搭載することができ、どんな請求書でも読み取れる精度が実現しました。

2つ目の強みは先程のお話に出た、オンライン回収機能を兼ね備えていることですね。経理部が一番困っていたこと、それは請求書がいつ来るかわからない、最悪待っても来ないことがあるということです。決算の業務を始めるにも、全ての請求書が揃わないと進められません。この「待ちの姿勢」は大きなボトルネックです。それを機能の提供で解決できるようにしています。

3つ目は上場企業に対応した強固なセキュリティと内部統制機能を持っていることです。情報漏えいやハッキングなどの外部に対しての守りを強固にし、上場企業でも安心してご利用頂ける体制を整えています。
また、
承認などの機能や情報に対して細かい権限設定が可能な内部統制機能を保持しています。この2点の基準をクリアし且つご満足頂けているということは、sweeepのお客様のうち34%の企業が上場企業及びそのグループ企業という数字からもお分かり頂けるかと思います。

特に3つ目の上場企業にも対応した機能を持っている点に関しては、他社製のサービスでは提供されていないこともあり、sweeepが選ばれるポイントかもしれませんね。

経理の方の「あったらいいな」の声がよく反映されているようですね。

それは、経理出身者が会社のメンバーに多いというのもありますが、初期からご利用頂いているお客様の存在が大きいですね。当初からご意見やご要望を十分にお聞きしてすぐに開発にも活かしているので、声が反映されやすい仕組みになっているかと思います。

今でも、毎週のように細かいリニューアルを重ねています。「この前伝えた要望がすでに機能として発表されてる!」と、リリースノートを楽しみにされているお客様もいらっしゃいます。機能が役に立っている様子を見るのは、提供側としても開発冥利に付きますね。

sweeepを含めた、将来的に目指している社会はどのようなものでしょうか。

会計のコンサルティングをしていた20代の頃から、受取請求書にまつわる課題を肌で感じていました。決算の早期化をする上での一番の阻害要因は、会社の中ではなく外にあります。それは取引先からの「請求書がなかなか来ない」ということ。いくら会社の中の業務を自動化しても、請求書が来なければ始まりません。この要因で効率化が進まない事例を本当に多くの企業で見てきました。

だからこそ、根本的に解決する製品をつくりたいと思い出来あがったのが「sweeep」です。会社の中も外も自動化でき、どの企業でも紙の請求書がなくなるように設計されています。

目指す社会像として、3つの段階を社員にも示しています。第1ステップが「紙をなくす」、第2ステップが「電子的なやりとり」、第3ステップが「決済ストレスゼロ」です。OCR機能さえ不要になり、電子的なやり取りで取引が完結する第2ステップ。もう一歩進んで物の移動とともにお金が移動する、請求書も請求行為自体もない世界が第3ステップです。もちろんここまで到達するには、製品だけの問題ではなく商習慣の改革も必要なので、容易なことだとは思っていません。

しかし、自分が考えているのは、とにかく事務手続きなどに掛かっている多くの時間や無駄を出来る限り排除したいということ。そうすれば、本来の事業活動に専念できますし、もっと創造力を働かせて時間やお金を有効に使えるようになるはずだと思います。世の中全体がそんな社会になるよう、弊社としても力を尽くしていきます。

現在の状況はまだ第1ステップの初期段階です。紙の請求書の処理で悩まれているお客様も未だ多くいらっしゃいます。sweeepを運営するメンバーが一丸となってお客様のサポートをし、いずれは全ての企業が「働くを楽しく」を叶えられるよう目指すべき将来像を見据えて邁進してまいりたいと思います。

※1:PoCの結果、98.53%の請求書が正確に処理されていました。詳しい結果は下記からご確認頂けます。 https://sweeep.ai/news/75516